南三陸町HP/2011年6月27日
【本文】
6 復興の基本的な考え方
基本理念の下、三つの目標と二つの方策を基本方針として定めます。
目標1 安心して暮らし続けられるまちづくり
今回の大地震と巨大津波によって、南三陸町を支えてきた多くの方々が犠牲になり、住まいや仕事場、施設等に壊滅的な被害を受けました。私たちは、この被災の経験を活かし、どのような災害に遭遇しても命が守られ、安全で安心して暮らし続けることができる町、集落及び地域社会を創造的に復興させます。
目標2 自然と共生するまちづくり
私たちは山々に守られた海から多大な恩恵を授かってこの地に住み続けてきました。しかし、その自然は時に猛威をふるって私たちを苦しめます。私たちは、自然への畏怖畏敬の念を忘れることなく風土・文化を後世に継承し、この豊穣の海と山からの恵みに感謝しながら、自然と共生するまちづくりを進めます。
目標3 なりわいと賑わいのまちづくり
漁業や農業及び観光を中心とする町の産業を再生し、人々のなりわいを確保するとともに、新しい産業の創出を目指します。それによって、世代と地域を超えた交わりを活発にし、光輝く賑わいのまちづくりを進めます。
方策1 町と地域が力を合わせ協働で取り組むまちづくり
私たちは、震災後の過酷な状況を、被災の規模にかかわらず全ての町民が力を合わせることで乗り切ってきました。今後の復興においても、全ての町民、企業、各種団体の力を結集し、町のリーダーシップのもと、役割を分担して創造的復興に取り組みます。
方策2 町の主体性を堅持し国・県と連携して進めるまちづくり
未曾有の津波災害からの創造的復興は、国や宮城県と連携しながら、町と全ての町民の主体的な取り組みを堅持し、スピード感を持って進めます。
図 2 復興の基本的な考え方※PDFファイルでご覧下さい(パソコン向け)
--------------------
7 目標を実現するための具体策
目標1 安心して暮らし続けられるまちづくり
(1) 命を守る土地利用への転換
■ なりわいの場所は様々であっても、住まいは高台にという考えを町の基本的な土地利用の方針とし、市街地及び集落の高所移転を進めます。
■ なりわいやにぎわいの場所となる低地からの避難対策として、避難路、人工的避難施設(避難塔など)の整備を図ります。また、避難対策には東日本大震災の避難状況の教訓を活かすとともに、以前から伝わる防災の知恵や地域の防災資源の機能を活かしていきます。
■ 病院、学校、庁舎など、被災時に重要な役割を果たす施設は、平時の利便性にも配慮しつつ、高所に配置します。
(市街地及び集落の土地利用に係る断面イメージ図・・15・16 ページ参照)
・資料5(2)市街地断面イメージ(PDF:112KB)*パソコン向け
・資料5(3)漁村断面イメージ(PDF:80.1KB)*パソコン向け
(2) 財産を守る防災と減災の推進
■ 防潮堤、防波堤、水陸門の有機的な組み合わせにより、一定程度の災害に対しては、生命はもちろん財産をも守れる防災構造の確立を図ります。
■ 緑地帯及び津波緩衝のための樹林地帯の設置、土地の嵩上げなど、大規模災害(大津波)に際しては、被害を低減させる減災構造を導入します。
(3) 命と生活を繋ぐ交通ネットワークの整備
■ 災害時でも高度医療機関へ迅速に搬送でき、命を繋ぐ物資を緊急に搬送するための高速道路(三陸道)の早期整備を推進します。
■ 居住地や避難施設、町の主たる公共施設が孤立しないような高地ルートによる陸路のネットワーク化を図るとともに、迅速な避難ができるよう町内交通網の整備を推進します。
■ 大量輸送の要となるJR気仙沼線の早期復旧等について要請していきます。
(4) 地域防災力の強化
■ 今回の大災害を検証し、今後の災害に備えた地域防災計画の見直しと改訂を行います。
■ 有事に際し実働しうる消防力の高機能化と安定的確保を図っていきます。
■ 地域コミュニティの絆を再構築し、それを基盤として住民が主体的に消防・防災・避難生活維持に取り組む自主防災組織について整理再編を図ります。
■ 防災行政無線が機能停止した教訓を踏まえ、情報入力を行う親局の複数化及び親局、中継局、子局の電源に対する自家発電装置の追加等の対策を講じていきます。
(5) 保健、医療、福祉の安定的確保
■ 平時、罹災時にかかわらず、地域コミュニティの絆を基盤として、必要な支援が充足され、高齢者を地域全体で支える長寿社会体制の構築を図ります。
■ 平時にあっては地域医療を広範囲に支え、有事にあっては救急医療の核となる医療基盤と医療関係者の安定的確保を図ります。
■ 住民の心身両面の健康づくりと疾病予防及び災害時の二次的疾病防止、支援者の健康管理支援等の体制の確立を図ります。
■ 時代をリードするような視点に立った保育・次世代育成基盤整備の検討と制度運用を図っていきます。
(6) 機能集約と公共施設等の適正配置
■ 行政施設の集約化、拠点化を図り、各行政施設の有機的連携によるコンパクトで使い勝手の良い新たな市街地や住環境の整備を行います。
■ 防災と景観を意識したまちづくりを推進するとともに、地域コミュニティの絆を継続できるよう、人と環境にやさしい公共施設や社会基盤の適正配置と計画を住民と一体となって行います。
■ 被災した町営住宅入居者のほか、自立再建に時間がかかる被災者の生活支援のため、復興住宅(公営住宅)の整備を図ります。
0 件のコメント:
コメントを投稿